2021年前半に観た映画類の記録

グレイテスト・ショーマン』が良かったので、いつになくミュージカル映画を多く観た。子供と観るのにちょうど良い。昔ほど抵抗感が無いことにも気づいた。急に音楽が流れて歌ったり踊ったりする奴は現実にはいないんだけど(あるいは、存在するならそいつは狂人なんだけど)、効果的に感情を表現しつつ飽きさせない場面を作るには有効なんだ、と寛容になった。『イン・ザ・ハイツ』は劇場で見られなかったけど、スピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』は楽しみ。

ラジオやポッドキャストで話題だった映画を劇場で観たのも印象的だった。『花束みたいな恋をした』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』だ。こうなってくると、観たい気持ちが観なければという義務感に汚染されたようになって、健全じゃない気もする。これらの作品を面白いと思っている気持ちは本物なのか。

ネタバレはしているはず。注意。


6/1【29】

『ミッチェル家とマシンの反乱』(マイケル・リアンダ監督)を観た。

最高!たくさんの要素が複雑に絡み合う点や、登場人物の成長や人間関係の改善が物語の解決と展開に強くリンクしている点は、『スパイダーバース』に似ていた(製作を手がけたフィル・ロードクリストファー・ミラーの影響だろうか)。

変人に見られる人々の個性の肯定と、父とケイティとの和解が同時に感動的に描かれていて、超グッときた。

物語設定は定番で、『ターミネーター』などが思い浮かぶのだけど、どちらかというと、そちらは副次的な要素だった。全体的にコメディタッチにすることで、無茶な展開や設定を飲み込めるようにしている。

更に、実質的な主役と言えるケイティが映画全体に加工を施したような映像にしているのがヤバイ。より虚実の境界を曖昧にする斬新な演出だった。ケイティが映像クリエイターを目指しているという設定がうまく機能していて、メタ視点にシームレスに移行する。最初は面食らったけど、慣れるとそのバカさ加減が面白かった。そのヌルッとフィクショナルになるハチャメチャ感が面白さを増している。めちゃくちゃ盛って書いた絵日記を読んでいるような語り口だった。見方によっては、ケイティが作った記録映画のようにも見えた。

また、フルCGの映像自体も良くて、光の微妙な表現が上手かった。CGキャラクターに繊細な陰影が入っている点に地味に驚いた。

そして、『恋のマイアヒ』の演出ズルい。あんなん泣きそうになる。

 


5/22【28】

『エノーラ・ホームズの事件簿』(ハリー・ブラッドビア監督)をNetflixで見た。

冒険ありアクションありで、無心で楽しめるエンターテインメント作品だった。推理よりは冒険活劇が多い印象で、劇場版『名探偵コナン』に近いバランスかも。

原作を読んだことは無いが、おそらくここまで現代の世界的なフェミニズム運動に添ってはいないのだろう。表情豊かに暴れ回るミリー・ボビー・ブラウンは、新時代の戦う女性アイコンとして、存分に魅力的に描かれていた。

イギリス出身の俳優ばかりが出ていて、イギリス映画としてのこだわりも感じた。

事件の大詰めのシーンは妙に暗いトーンだったが、あれもイギリス特有かもしれない。ハリー・ポッター・シリーズも連想した。そのシーンで、デュークスペリー子爵が撃たれても大丈夫だった理由は唐突過ぎたと思うけど。その子爵役のルイス・パートリッジという新鋭の美しさには驚いた。


5/13【27】

るろうに剣心 伝説の最期編』(大友啓史監督)を久々に観た。

京都大火編とひと続きの作品で、感想はあまり変わらない。ずっとそうなのだけど、やっぱりロケーションやシチュエーションをうまく使ったアクションが最高。谷垣健治の手腕なのだろう。藤原竜也はあのしゃがれ声を出し続けてるのがすごい。


5/9【26】

るろうに剣心 京都大火編』(大友啓史監督)を久々に観た。

やっぱりみんながやり切ってるのが良い。この前に軽く一作目も観たけど、その徹底っぷりは一貫してる。佐藤健のアクションは世界でも通用しないかな...。走ってるだけでもアガる。大友啓史は何かが舞っていたり降ってきたりするのが好きっぽい。ストーリーとかは変なところもあるけど、大丈夫!


5/8【25】

名探偵コナン 緋色の弾丸』(永岡智佳監督)を観た。

ラストの大立ち回りでは、爆笑しっ放しだった。

最近の劇場版では毎回そうだけど、ハリウッド映画を超えるスケール感が楽しい(ラストのスペクタクル展開は『純黒の悪夢』に似てた)。予算の無い日本では、このスケールの表現をするならアニメが最適解の一つだろう。

一方で、子ども向けアニメの脚本としては少し問題がある気がしてて、2時間の超大作なのに、終盤まで派手な映像が無い点が惜しかった。我が子も、途中、少し飽きていた。そう考えると連続事件はよく出来た仕組みなんだ、と気づいた。連続事件を採用しなかった結果、今回はかなり残酷描写が少ないことにも思い当たった。小さな子どもも見られるような微調整をかけたということだろうか。痛し痒し。

また、ちょっと驚いた描写として、毛利家の団欒風景があった。これまで描かれたことがあったのだろうか。毛利家はちゃぶ台でご飯食べるんだ、という発見には戸惑った。

15年前の事件が今回の事件に関連している、というのが一つのキーポイントなのだけど、当時の事件がなぜ起きたのか、がわからなくてモヤモヤした。事件の被害者達が多くを語らなかった理由は?実は言ってた?見逃した?という細かいところはすっ飛ばした方が楽しいだろうな。

そして、やっぱり映画のコナンはあんまり推理してないな!


4/28【24】

大誘拐 RAINBOW KIDS 』(岡本喜八監督)を観た。

主演の北林谷栄氏の演技がとにかく凄い。怖い・かわいい・面白いを同時に体現する演技は周囲から浮くレベルに見えた。

それに対抗するように恐ろしい演技をしていたのが、樹木希林だった。面白い田舎のおばさんを自然に演じ過ぎてて怖い。どこまで台本通りなのかが分からないくらいに、全ての演技が自然。

緒形拳も都会的じゃない切れ者の演技がカッコよかった。嶋田久作岸部一徳も脇で良い味を出していた。主演らしき風間トオルは、ネイティブっぽくない関西弁のせいでイマイチだった。

本来であれば、誘拐犯と警察は対立構造を持つはずなのだが、この映画での両者の間には大きな空洞がある感じがして、そこに生じるズレや奇妙さが不気味なコメディを作っていた。

編集はやたらとテンポが良くて、飽きさせない映像が続いた。


3/20〜4/23【23】

『ファルコン&ウィンターソルジャー』(シーズン1)を観た。

グローバリズムが引き起こす格差社会の問題や、アメリカを端緒として表出した黒人差別の問題を、単純化せずに複雑なまま描き切っていて、後味は苦い。最終話のファルコンの言葉には、はっきりとした問題提起があって、その勇気を奮う姿が感動的だった。

見応え抜群のアクションシーンもたっぷりあって、『ワンダヴィジョン』以前のこれまでのMCU作品の王道の系譜に入るだろう。ファルコンの戦闘バリエーションを拡張したのも素晴らしかった。第1話と最終話の戦闘シーンは何度も見られるクオリティだった。シャロンの戦闘シーンからはブラック・ウィドウに代わる活躍を連想した。

マドリプールの急に漫画的な描写は笑った。

また、ファルコンもウィンター・ソルジャーも地味で目立たない印象だったけど、これだけ生活パートを掘り下げると、人間味が増して面白い。バディムービーとしても素晴らしい完成度だった。

シャロンをそんなキャラクターにしても良いのか?ジモはあんな状態でいいのか?などと今後の展開も気になる。

それにしても、終始ドラマとは思えない潤沢な予算を感じる。ド迫力のアクションは大きなスクリーンで観たいくらい。6回に分割されたハリウッド映画だと思った方が良い。


4/7【22】

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』(庵野秀明総監督)を観た。

とにかく終わっていた。もうこれ以外もこれ以降もこれ以上も作られないように、完膚なきまでに終わっていた。本当にちゃんと終わるとは思ってなくて動揺した。

TVシリーズまで総括するとは思わなかった(漫画は読んでない)。真っ先に、ジョージ・ルーカスと違ってうまく終わって良かったな、と思った。

ラストシーンの現実を肯定するようなカットにも驚いた。庵野秀明が大人になった印象を受けた。その事実がショッキングだったし、感動的だった。

冒頭から、悪夢のような敵と新しいエヴァの観たことがない戦闘シーンに心を掴まれた。超ロボットアニメでアガッた。エッフェル塔のあの使い方を観たパリのファンは大興奮だったろう。戦闘シーンのテーマ曲のフラメンコみたいなアレンジは目新しかった。そういえば、『破』以降、いつもマリの活躍するシーンから始まっていたと気づいて、そこに意図を感じた。

序盤の展開を観て、俺は昔からトウジが一番好きだった、と思い出した。

襖を開く映像を超低位置の真横から捉えて、シューッという音を強調しながら挿入するのが、超エヴァだった。

綾波がプラグスーツのまま田植えしている映像は、そのドギツイ違和感で笑った。その時に流れていたアコースティックな曲がまた妙に爽やかで、とてもチグハグな印象を受けた。レイの生まれたて感にもずっと笑っていた。あの視点で台詞書き続けられるの凄い。

シンジがアスカからレーションを食べさせられるシーンが、異様に動くアニメーション(モーションキャプチャ?)で、そのグロテスクさが印象に残った。

そして、テレビシリーズのラストを踏まえた最終決戦。あれがエヴァを決定的に終わらせた。

まず、戦艦同士の空中戦で古い特撮みたいな曲が流れた時は、そのやりたい放題感に笑ったし、アガった。

全て思い残しの無いように。

最終的にはテレビのラスト2話や旧劇場版を肯定するように説明を付与してくれて、救われたような気分にもなった。あの下書きみたいな映像も必要なものとして描かれていて、そこにあるメタの視点は、「アニメが作られるから世界が作られる」という構造を見せられた。

また、シンジが決意して、ミサトがシンジを受け入れたシーンも、これまでの全てを踏まえた上での成長の儀式として実感できて、感動的だった。

面白いかどうかはともかく、碇ゲンドウの内面まで描けたことにも驚いた。

胸のデカい云々という台詞は気持ち悪くて、ちょっとどうかな、と思ったけど。

エヴァがやっと終わったのだから、『シン』じゃない庵野秀明オリジナルが観たい。

補足すると、観終わってからシン・エヴァについて語っているアトロクやPOP LIFEなどのポッドキャストやラジオを沢山聴いた。『花束みたいな恋をした』の時にも感じたけれど、聴くために観ているみたいだ。別冊アトロクでのベースボールベアー・小出氏のスタンスが自分に一番近い気がしたし、ドロッセルマイヤーズ・渡辺氏のエヴァへの提案が一番腑に落ちた。

総じて、やっぱりあの作風だと庵野秀明個人と切り離しづらい、と感じた。メタの視点が作家としての視点に見え過ぎる。

『破』でのシンジの挙動を肯定的に捉えるか、否定的に捉えるか、がシン・エヴァの感想にも関わっているとも感じた。


3/31【21】

メン・イン・ブラック』(バリー・ソネンフェルド監督)を久々に観た。

思った以上に脚本がよく出来てて、ギャグを頻繁に交えながらめちゃくちゃテンポよく無駄なく進んでいく。映像の端々からはスピルバーグ的な雰囲気も感じた。

吹替で見たけど、喋ってる雰囲気からウィル・スミスがラッパーだったこともよくわかった。そして、彼の当時のルックスはアイドル性に満ちていた。

バグを演じていた男性もメチャクチャ上手い。どう見ても異形の生物が人間の皮を着てる感じがヤバかった。

そういう描写も含めて、実は残酷描写が容赦無かった。血の量を少なめにして、イメージがマイルドになるようにコントロールしているが。


3/23【20】

『飛べないアヒル』(スティーブン・へレク監督)を久々に観た。

25年ぶりくらいに観た。大枠としては『がんばれ!ベアーズ』(観てないが)『メジャー・リーグ』などに作品群に連なる、弱小チームに新たな指導者やエースが加わって強くなる王道ストーリーで、大変わかりやすい。

しかし、途中で変な展開も挟まってくる。特に、敵チームにいたバンクスが仲間になるシーンは不要に思えた。無理に盛り上げる葛藤を作ろうとしてる。

それと、思ってたより低所得者層の世界を描いてたことにも初めて気づいた。ちょこまかとストリートを走り回る子供たちは生き生きとしていて良い。強豪チームに黒人がいない点などに、人種問題が内包されている。

ホッケーという題材の最大の問題点は人物の顔が見えない点だった。子供たちは背格好も似ていて、試合のシーンでは区別がつかなかった。

エミリオ・エステベスのスケーティングが異様に上手かったけど、本人なのだろうか。


3/21【19】

ボヘミアン・ラプソディ』(ブライアン・シンガー監督&デクスター・フレッチャー監督)を観た。

最後のライブエイドとその直前のいざこざに物語を集約する構成になっていて、そこまではかなり単調な脚本だった。クイーンというバンドと楽曲の紹介に終始していた。

ポール・ブレンダーが絶対的に悪い奴にしか見えなかったけど、実在するらしい。そのステレオタイプな人物造形も含めて単調な脚本だった。本人の許可は取っているんだろうか。その脚本の単調さを編集で誤魔化している印象も受けた。音楽が良いので飽きずに観れてしまうけど。映画館で爆音で観ればもっと気分が高揚したのかもしれない。

ドラムにビールをかけて叩く映像や、ギターやピアノの速弾きを超接近して撮る映像などは面白かった。

ブライアン・メイは実際にこういう人なのだろうか?非常に理知的にバランス良く全体を見られる人物で、一番面白いキャラクターだった。


3/14【18】

弱虫ペダル』(三木康一郎監督)を観た。

自転車のペダルをぐるぐる漕ぐ映像が面白かった。そこが一番の見せ場だろう。

自転車のスピード感をうまく表現できているシーンや、坂の勾配をキツく表現できているシーンも良かった。

主人公はひとりぼっちの人間で、友だちのために自転車に乗るというエッセンスだけに話を絞ってるのが上手かった。原作もある程度読んでいたので、「永瀬廉があの主人公か〜」と少し不安に思っていたが、永瀬廉なりの小野田坂道になっていて良かった。特に小野田坂道の狂気がうまく表れていた。そして、オタクっぽさを保ちながら不潔感が無いのがジャニーズ力だと感じた。

しかし、いろんな省略や差異が目立つので、原作ファンは満足しないだろうな、とは思った。かと言って、原作を読まずに観ると、先輩陣の行動やキャラクターがよくわからなく見えるのでは、とも感じた。その中途半端さが観客を限定しそうだった。

自転車レースでのチームの『協調』による妨害も、「なぜ抜けられないのか」と「小野田が来たから二人抜けられる」の意味が映像ではわからなかった。漫画っぽい説明台詞にも無理は感じた。


3/12【17】

宇宙戦争』(スティーブン・スピルバーグ監督)を観た。

スピルバーグはやっぱりすげえ!断片的にテレビ放送で見かけていたけど、ちゃんと全部見たのは初めてだった。

まず、映画的に盛り上げる演出がとてつもなく上手い。実体を見せないことで何かが迫ってくる恐怖を増幅させる手法は、きっと『激突』や『ジョーズ』の頃からのトレードマーク的な演出なのだろう(と想像した)。ダコタ・ファニングのパニックを起こす演技もやたらと上手くて不安を煽る。

見えるはずが無いものを見えるようにする演出も凄い。ダコタ・ファニングが恐怖に怯える吐息を魅せるために、口の前に蜘蛛の巣を配置していて驚いた。

そして、それらの演出を駆使しているおかげで、この内容にも関わらず、人間が出血・流血する描写が極端に少なくできていた。レーティングを上げないようにする工夫だろうが、宇宙人に撃たれた人間は灰みたいになるし、墜落した飛行機には怪我人も乗っていなかった。宇宙人が人間の血を散布するシーンはあったけど、あの演出における血はもはや物質化していて、おどろおどろしさだけを残す巧さがあった。

唯一人間が流血するのは、主人公家族の車が民衆に囲まれるシーンで、フロントガラスを手で突き破る人物の手からは血が滴った。あの集団心理の暴走の描き方はめちゃくちゃ恐ろしい上に容赦無かった。

その後の宇宙人に追われて難民になる描写も、実際の戦争での犠牲者を描写してるとしか思えなくて、生々しい辛さがあった。

そして、主人公レイは助かるために人を殺めたとしか思えないシーンがある。最終的に宇宙人達がプランクトンや微生物によって死滅するというオチを見てしまうと、レイはあの行動をどう捉えて生きていくのだろう、と考える。一時的なパニックや極限の心理状態というものの恐ろしさを感じずにはいられない。そんなことを、震災や新型コロナウィルスのパンデミックを受け止めながら2021年に考えた。普遍性を持った古典になりつつあるのだろう。


3/9【16】

『ゴースト・バスターズ』(2016年版/ポール・フェイグ監督)を観た。

めちゃくちゃ笑った。ホルツマンの一挙手一投足と、超抜けてるクリス・ヘムズワースが何かやらかすシーンで沢山笑った。

特に、ホルツマンの独特の喋り方と皮肉やジョークが最高だった。アベンジャーズばりにゴーストを薙ぎ倒すシーンは涙が出るほど笑った。エリンとアビーの掛け合いはアンガールズの漫才みたいだった。

皆の生き生きとした会話がすごい。内容が些末過ぎて台本にできる感じがしなかった。意識的に変な間や妙なやり取りを採用していた。どんな脚本になっているんだろう。展開はメチャクチャなところも多かったけど、何も考えないで見られるコメディ映画としては最上級の作品だった。


1/16〜3/5【15】

『ワンダビジョン』(シーズン1)を観た。

凄かった!超ハイコンテクスト!イースターエッグ詰め込み過ぎ。

唐突に始まる『奥様は魔女』や一連のテレビシリーズを引用した映像でテレビドラマへのリスペクトを感じさせつつ、ちゃんとMCU作品のフェイズ4としても成立させる。その上で、毎話ちゃんと先が気になるように練られている脚本は、マジでエグい。MCU初のドラマシリーズとして最高の出来。一時はX-MENとのクロスオーバーまで示唆していて、もう大変なことになっていた(ただのミスリードだったのだろうか?マルチバースへの布石ではないのか?ファンタスティック・フォーも絡んでくるのか?)!

映像も普通にハリウッド超大作レベルだった。最後のバトルはちょっと単調だったが。

年代が変わる鮮やかな演出も良かった。凄まじい予算も感じた。

ワンダの能力がメチャクチャにパワーアップしているのだが、これでMCUという大きい物語全体のバランスは取れるのだろうか?ワンダの行動はかなりヴィラン寄りで、大量の悲劇を抱え込んだ性格も含めてだいぶ危ういキャラクターになったと感じた。ヴィジョンはどうなるのか?二人の子どもは?モニカ・ランボーは?とまだまだ今後も気になる。

ワンダが出るらしいドクター・ストレンジの続編も楽しみ。


3/3【14】

ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』(ケニー・オルテガ監督)を観た。

劇場公開しただけあって、予算が上がってる感じはした。

シャーペイのビジュアルが少し変わっていて、よりキュートになった。ガブリエラはやっぱり勉強してる感じがしないし、露出が多くて驚く。

トロイがガブリエラを迎えに行くシーンは、時空が歪んでいるような演出になっていて爆笑した。1600kmの距離を一瞬で移動したかのように見えちゃう編集はまずい。観客にサプライズにしたいのはわかるけど、何が何だかわからなかった。トロイの苦労が伝わるようにガブリエラの移動シーンを事前に入れとくとか、ガブリエラがトロイと会えなくて憂鬱な時間を過ごしたように見せるシーン入れとくとかすべきじゃないか。そもそも、ガブリエラがミュージカルに出なくなる理由も弱いな!


2/23【13】

アポロ13』(ロン・ハワード監督)を久々に観た。

こんなに細かくカット割って、こんなに一つ一つ撮ってたっけ...。一つずつスイッチを入れる動作や読み上げて確認する動作を、その都度丁寧に捉えているのだけど、暗に「これだけやっていても事故が起きてしまうのだ」という説明になっていて、良い演出だと気づいた。

ロケットの発射とか95年にどうやって撮ったんだろう?模型?あり得ないリアルさで興奮した。

社会人10年以上経て観ると、管制官のリーダーのエド・ハリスの頼もしさが凄くて、理想の上司に見えた。部下もちゃんと意見するし、良い職場!そして、ゲーリーシニーズがたまらなくカッコいいのは変わらなかった。

リアル過ぎて、私の子供は「宇宙飛行士になりたいと思わない」と言っていた。


2/19【12】

『花束みたいな恋をした』(土井裕泰監督)を観た。

ガチの恋愛映画を映画館で観たのはいつぶりだろう?(『モテキ』以来?いや、あれは恋愛映画じゃなくて、男の妄想映画だったか)。坂本裕二脚本だったので気になってはいたけど、ラジオやポッドキャストでこんなに話題にされなかったら観てなかっただろう(おかげさまで、観ないと聴けないコンテンツがメチャクチャ溜まってる!)。

そして、何となく危惧していた通り、観終わってからずっと心にもやもやした何かが溜まっている。観ているうちに、脳内に存在しないはずの記憶をインセプションされたような感覚があって(スタンド攻撃?呪術?)混乱した。

「こんなことが俺にもあったような?」

「いや、そんな経験など無かったのでは?」

「でも、ちょっと違うけど、こんな経験ならあったか...」

と封印していた記憶の扉を、不用意にバンバン開かれて消耗した。

まず、序盤は、若者カップルの気恥ずかしいやり取りと、自分にもわかるカルチャー関連の名前の連打に悶絶した。

後半では、『似たようなものが好き』の奇跡だけでは恋愛は続かないし、努力が必要だよな、という苦味に打ちのめされる。その後半の努力の部分で、ジェンダー的な差に思える描き方があって、それも思い当たるフシがあって辛かった。『さよなら、俺たち』を読んだ直後だったせいもあるのだろう。

具体的に言うと、麦が自分勝手にも思えるやり方で就職を決めるシーンや、最初に結婚を仄めかすシーンで、ここにある『相手の話の聞かなさ』が辛い。ここに男性の共通性があるように見えるのが辛い。麦の先輩の思想と、その先輩の死を巡るシーンにもホモソーシャル性を滲ませていて、本当に見てられなかった。

脚本は当然メチャクチャよく出来てて、細かいセリフも超行き届いている。「ワンオクは聴く?」「聴けます」という些細なやり取りや、社会人から言われた警句を内面化した台詞として吐いてしまう麦や、麦が言っていたことを絹がそのまま繰り返す仕掛けには、ただただ感心した。イヤホンを分けて聴く行為の象徴的な扱い方もとても上手い。男女が繋がっていることを描いているし、年齢を重ねた結果それを否定することが恋の終わりも描いていた。

そして、言うまでもなく、最後のファミレスシーンは最高で、最悪の辛さだった。そういえば、京王線サブカルと中央線のサブカルは違うのか?出てくる作品について全然知らないままでもおそらく楽しめるけど、知るともっと楽しめる要素もあるのかもしれない。異常に充実したパンフレットを読んで、すれ違いを示す記号的道具だった『茄子の輝き』の中身に意味があったのか?と思い始めて読んでみたくなっている。

麦が保坂和志作品を読んでいたことには、少し違和感があった。

全体を通して変わった演出はしていないのだけど、繊細な表情をちゃんと捉えている映像は良かった。瑞々しさが伝わってくる映像だった。衣装や部屋のセットのディテールも、とても行き届いていた。

意識していないだろうけど、二人の別れのシーンはあだち去りだった。


2/18【11】

ハイスクール・ミュージカル2』(ケニー・オルテガ監督)を観た。

1と似たような話を夏休みのリゾート施設でやっていた。

妙な暗転は無くなったけど、テレビ映画感はまだある。

ライアンのキャラに急な肉付けが起きたのは驚いたけど、仲間になって面白くなった。ガブリエラの天才(秀才?)設定はだいぶ忘れ去られた気がする。父親の発言に右往左往するトロイが可愛そうだった。

1とロケーションが変わって歌って踊るシーンの種類に幅が出たけど、一時期Twitterなどで話題だったバイトテロを思い出すくらいに職場で騒いでて、苦笑してしまった。去ったガブリエラが戻ってくる展開は、理由が描かれなくてあまりにご都合主義的だった。

全体的に1よりパーティ感が増していて、頭を使わせない感じも増していた。


2/1【10】

ハイスクール・ミュージカル』(ケニー・オルテガ監督)を観た。

ザック・エフロンは昔から歌もダンスも上手かったんだな。テレビ映画っぽいチープさはあった。フェードアウトの暗転も微妙な使い方だった。ストーリーも微妙なところがあって、トロイとガブリエラの友人達が協力して彼らが歌うのを邪魔するシーンは、特に違和感があった。自分達で邪魔しておいて、二人が落ち込んでるの見てすぐ反省するって、無理があるだろう...。

それを見ていて、相当気をつけないと、ミュージカルは歌を優先し過ぎた時にご都合主義的に見えてしまうんだな、と知った。「お?歌うか?」みたいな感じで期待しながら観続けた。

悪役を演じるシャーペイの可愛らしさには笑ってしまう。

ラストの全員でのダンスは多幸感たっぷりで良かった。シャーペイも仲良く一緒に踊っているのが良かった。


2/1【9】

グーニーズ』(リチャード・ドナー監督)を観た。

クラシック感が凄くて、観ながらこの作品が後世に与えた影響を見ているような気分になった。そして、『ストレンジャー・シングス』は、同時多発的に作られた『スタンド・バイ・ミー』や『E.T.』と並べてたっぷり参照しているのだとわかった。

全体を通して、製作総指揮に入っているスピルバーグっぽさも強く感じたが、それは先入観もあるかもしれない。調べたら『E.T.』も『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』も、この作品より先行していたので、普通に影響を受けたのかもしれない、と考え直した。

何だか抜けてて怖くなり過ぎない敵キャラクターの造形は、『ホーム・アローン』を作ったクリス・コロンバスの手腕なのだろう。唐突に『スーパーマン』のパロディが入っていたのは、監督繋がりだろうか。

この作品の魅力は、どこか野蛮で粗削りなエネルギーに満ちている点にあるのではないか。まず、キャラクター達が粗野で口汚い上に、ずっと大騒ぎしていて元気だ。ギャグもしくはギャグ的な展開も下品で大味だ。展開が多い上にめちゃくちゃで、宝の地図通りにアメリカ郊外に残っている海賊船とか、かなり訳がわからない強引さだった。明確に障害を持っているスロースの描き方も乱暴だった。全然現代的じゃないし、洗練してるとは言い難いけれど、その熱量に圧倒される。

また、洞窟のシーンが長くて、想像していたより暗めの映像が続くのは単純に意外だった。なぜ主人公が海賊の片目のウィリーに激しく感情移入(あるいは同化)するのか、がよくわからなくて気になった。喘息持ちで家に篭りがちだったから、洞窟に篭っていた彼に同化したとか?


1/30【8】

『監視者たち』(チェ・ウィソク&キム・ビョンソ監督)を観た。

監視という一見地味な行為をメインで描いて、ここまでエンターテインメントにしてることが驚異的だった。

『誰が何をしているのかわからないけど、何だか面白い』という異様な状態を維持するオープニングから凄かった。編集と撮影の力もあって、その後もずっとテンポよくスリリング!監視のために、服を着替えたり、人が入れ替わったりするような、よくわからないけどあり得そうな細かいギミックで説得力を持たせているのが上手かった。邦題も悪くなくて、お互いに監視し合う瞬間があるのもサスペンスフルだった。

超能力に近い記憶力を持つ主人公刑事のキャラクター設定も魅力的なのだが、特筆すべきはプロフェッショナルな犯罪者を演じた敵だろう。あの残忍さと冷酷さ。警察に捕まらないように綿密な計画を立てて冷酷に完遂する男は、映画が違えば『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズのように描けるキャラクターでもある。

暴力描写はいわゆる韓国映画らしいリアリティのある重みが凄い。敵側での仲間割れのシーンは、狭い通路での長尺の格闘シーン自体も凄かったけど、縦横無尽に動き回るカメラワークの実験性に驚いた。あそこだけ少しテイストが違う。予算も凄まじくて、車のクラッシュの派手さや美術の作り込み方にも感心しっぱなしだった。


1/25【7】

ラ・ラ・ランド』(デイミアン・チャゼル監督)を観た。

思ったより変な映画だった。ミュージカル的に使う音楽は良くて盛り上がるし、俳優陣の演技とダンスは巧くて楽しいけど、ずっとMVを見てるような感覚があって、ミュージカル映画としては受け止めづらかった。

この印象は動き回るカメラワークのせいかもしれない。正直、予告編の方が面白かった。

口論のシーンのカメラワークはつまんなく見せるためにわざと単調にしてるのかもしんないけど、ちょっと長過ぎないか。ワンカットじゃダメなのかな。台詞もつまらないし、辛かった。

セブが昔の知人のキースと始める音楽がかなり変なのだけど、その扱いもよくわからなくて気になった。「売れてるけど、セブもミアも好きじゃない」という音楽のライブを見てると、「じゃあ、この会場で熱狂してる人達は何なの?」とずっと疑問だった。自分自身もこの音楽を良いとは思えなかったけど、監督も良いと思ってなさそうなのが気になった。そういう嘘はコメディでは面白いけど、こういう作品に入れ込んでくると、不誠実に感じた。「本当に良い音楽で売れるのはわかるけど、自分のやりたい音楽とは違う」というバランスで見たかった。何かを上げるために他を下げるのは、もう古い、ような。

そして、セブのジャズ観もとても古く感じた。現実ではもっとアップデートされてるはずなのに、反映されてない。っつうか、セブは本当にただのダメなヤツじゃねえかな...。容姿以外の魅力がわからなかった。いや、ミアを女優の道に引き戻す見返りとして復縁したりしなかった点だけは良かった。

色鮮やかな衣装とセットの美術は美しかった。ゴダールを思い出した。ラストのあり得たかもしれない世界を想像するシーンは良くて、このシーンの普遍性が観客のエモーションに刺さったし、監督が一番撮りたかったシーンなのでは、と感じた。


1/20【6】

グレイテスト・ショーマン』(マイケル・グリシー監督)を観た。

とにかく超アッパーでびっくりした。歌と音楽が鳴り続ける。絶望も希望も、歌って踊る。

ヒュー・ジャックマンがすげえが、ザック・エフロンゼンデイヤも知らない人もみんなヤバイ。多幸感もヤバイ。曲がずっと頭から離れない。『A Million  Dreams』も『This Is Me』も『Never Enough』もクソ名曲。音楽が展開をグイグイ引っ張っていく。超展開も音楽の力でねじ伏せる。

動き回る演者を不足無く魅力的に捉え続ける撮影も素晴らしいし、無茶な展開や省略をセットの転換やカメラワークで途切れなく繋ぐ演出も良い。

サーカスの起源を描いていく話で、当時は異形の人々を見世物にする価値観の上で成り立っていたのでは、と想像する。しかし、それを個性と多様性の肯定に落とし込んでいるのは、現代的な解釈として大変上手かった。


1/18【5】

『ブックスマート』(オリヴィア・ワイルド監督)をまた観た。

2度目でも最高だった。全部展開がわかってても最高じゃん。何回でもいけるかも。今回は約30分×3日間でじっくり観た。卒業式で、皆が二人を認めて、二人が皆をちゃんと見る瞬間に、泣きそうになった。エイミー役のケイトリン・デヴァーは表情の作り方がマジで素晴らしい。


1/12

『梨泰院クラス』(シーズン1)の第1話を観たが、第2話以降を見ていくのは難しそうだった。


1/10

『あなたの知らない卑語の歴史』(シーズン1)を観始めた。


1/4

『クイーンズ・ギャンビット』を観始めた。


1/1【4】

ジュマンジ』(ジョー・ジョンストン監督)を久々に観た。

昔観た時の不気味な印象は間違ってなかった。ジャングルから流れ込んでくる生物も現象も総じて恐ろしかった。

そこには演出の上手さもあって、予兆として音だけさせたり、振動だけ起こしたり、あるいは暗闇から徐々に現れたり、という助走が効いている。そこからの、超現実的映像の開放がスペクタクルだった。

更に、脚本もよく出来てて、すごろくゆえのその突拍子の無さが驚異だった。うまくトラブルと解決が連鎖していた。駒が止まったマスごとに起きる出来事も、よくぞあんなにバリエーションを考えたものだ。

しかし、この作品で一番凄いのは、ボードゲームを介して年月を飛び越えるというアイディアだろう。26年間もボードゲームのジャングルに閉じ込められるというのは、本当に残酷で恐ろしい罰で、今見ても辛い気持ちになる。少年のまま26年が経ってしまったアランを演じるロビン・ウィリアムズの表情は凄い。少年特有の無垢さをとてもうまく表していた。そこには狂気も感じた。

吹き替えで見た感じでは、『男らしさ』(=立ち向かう強さ。逃げない勇気)の獲得をアランの成長に重ね合わせていて、その部分は2021年には見づらく感じた。


1/8【3】

『ヒーローキッズ』(ロバート・ロドリゲス監督)をNetflixで観た。

おそらく『スパイキッズ』の枠組をアメコミヒーローでやろうとした感じだった。まともに『スパイキッズ』を観たことが無いが、以前チラ見した印象では意図的に安っぽいCGで構築した世界で大活躍する子供たちを描いていた。その手法はそのまま今作にも適用されていた。子供たちの大活躍を強調するために、過剰なまでに大人が無能なのは、どうなんだろう。これを見た子供達は胸がすく思いをするのかもしれないけど、立派な大人もいた方が未来に希望を持てそうな気もする。それにしても、CGが安っぽい。意図的だとしたら必要なのだろうか。アクションシーンは子供達が頑張ってるけど、魅せ方が単調で面白くない。この監督はファミリー向けの時だけこんな作風になるのだろうか。『マンダロリアン』シーズン2を思い出すと、手抜きに見えた。


1/5【2】

『ソウルフル・ワールド』(ピート・ドクター監督)を観た。

めちゃくちゃ凄かった。作品のメインテーマは『生きることの大変さと素晴らしさ』みたいな感じで、人生経験のある大人の方に響きそうな内容なのだけど、ちゃんと噛み砕いて楽しくビジュアル化することで、子供にも飲み込みやすくなっていた。子どもの作品を受け取る力を信じている、と感じた。

ディズニー傘下のピクサーで、ジャズをメインのモチーフにすることも主人公を黒人の成人男性であることも挑戦的だが、この激動の時代に合っている。

ジャズを演奏するシーンは音楽も素晴らしい(ジョン・バティステ良い!)けど、その動きの表現の緻密さにも驚く。指の動きには見入ってしまう。

脚本も凄くて、「魂の世界から現世に戻るまでの話かな」「現世で見事に演奏をやり遂げるまでを描く話かな」というベタなストーリーを想像してたら、見事に裏切られまくった。

魂の世界と現実の描き分けも面白い。白っぽくて明るい魂の世界ではシンセサイザーっぽい機械的な音楽が流れ、雑然としてて影や夜がある現実世界ではジャズが流れる。

特に、22番が初めて現実に触れる時に汚さや雑然さに圧倒される場面には、急に現実を見せられるような厭な驚きがあった。

一方で、現実世界の何でもない事象の美しさに触れる場面にも、目を開かれるよう驚きがあって素直に感動した。俺たちはこんな美しい世界にいたのか。これらのシーンの対比は、世界のことをちゃんと知ることの大事さを表している気もする。

ラストシーンのエピローグを描かない潔さも気持ちよかった。これまでであれば、本編内か、あるいは、オマケみたいにエンドロールでキャラクター達のその後の人生を描いたりしたのではないか。「人生はどうなるかわからない」という不確定な未来に希望を委ねた終わり方は新鮮だった。


1/3【1】

アナと雪の女王2』(ジェニファー・リークリス・バック監督)を観た。

前作より歌が増えた。こんなに歌ってたっけ、というのが第一印象だった。作品全体を引っ張る「アーアアー♪」という特徴的なメロディはどの言語でも共通で使えるのだろう。よく考えられている。

寒そうな銀世界は、前作以上に美しく描かれていた。エルサが海を凍らせながら駆け上るシーンは独創的でカッコよかった(早くアベンジャーズに入って欲しい)。

そして、今回は悪役と言える人物がいないどころか、徹底して嫌な人物もいなかったのが最も印象的だった。代わりに、人種間の衝突や気候変動という社会問題を敵に看做していた。かなり優等生的な設定だが、上手かった。

その問題を解決することと、エルサの出生に関わるアイデンティティの発見を、全て連動させてカタルシスにしている点は、システムとして優れてるのはわかるが、あまり上手く機能していたように思えなかった。エルサが魔法を使える理由が曖昧な印象だったからではないだろうか。中途半端に理由づけするなら、無くても良かったのでは。

一方で、オラフにジョーカー的な狂気を感じるのは、自分のひねくれた受け取り方のせいだろうか?腕が取れても鼻が取れても痛がりもせずに、笑いながら変な蘊蓄を垂れたりする生き物は不気味だろう。吹き替えで観たからかな?ピエール瀧だったらもっとそう思えたんじゃないかな?